【8月3日 AFP】イラク北部のモスル(Mosul)を支配するイスラム教スンニ派(Sunni)の武装勢力「イスラム国(Islamic StateIS)」が、1日から2日にかけてクルド人兵士16人を殺害していたことがわかった。クルド人自治区の当局者が2日、明らかにした。

 イスラム国は1日、モスルに近いダムや石油関連施設を攻撃したが、 クルド人自治区の民兵組織ペシュメルガ(Peshmerga)が応戦して撃退した。クルド人の政党、クルド愛国同盟(Patriotic Union of KurdistanPUK)の高官はAFPに、「ズマル(Zumar)にあるペシュメルガの基地を攻撃され、激しい戦闘になった」と語った。

 同高官は、ペシュメルガの兵士14人の死亡が確認されたと述べるとともに、数時間続いた戦闘でペシュメルガもイスラム国の兵士「約100人」を殺害し、38人を拘束したと明らかにした。

 ズマルはモスルの北西に位置するクルド人が多数を占める小さな地域。中央政府の支配下にあったが、その帰属をめぐってクルド人自治政府と中央政府が以前から争っていた。イスラム国が6月にイラク第2の都市、モスルを制圧した際、多くの政府軍部隊が撤退。その「権力の空白」を狙ってペシュメルガは同月、ズマルを掌握した。

 2日にはシリアとの国境検問所に近いカサク(Kasak)でも戦闘があり、ペシュメルガの兵士2人が殺されたと、ペシュメルガの高官がAFPに語った。(c)AFP