日本でハラールツーリズム、イスラム教徒の観光客取り込み狙う
このニュースをシェア
■ハラール認証を受けた焼き肉も…アルコールは無し
旅行者だけでなく、長期滞在者に対しても同じような試みが行われている。イスラム教国からの留学生を増やすべく、全国19の大学では食堂でハラール食を取り入れたメニューを提供している。
さらに「本物の日本食を味わいたいがハラールではないと駄目…」というイスラム教徒も楽しめる焼き肉店が東京には存在する。店主を務めるスリランカ人のカトリック教徒ロジャー・バーナード・ディアス(Roger Bernard Diaz)さんは、宗教ではなくビジネスの面で「宗旨変え」をして店を始めた。
ディアスさんは、ハラール食のメニューを取りそろえる店に衣替えすることには何の不安もなかったといい、それが東南アジアのみならず湾岸諸国からもお客が来る結果につながったと話す。
ただ、食材を調達するのはそう簡単ではないようだ。ディアスさんは専用の冷蔵庫からハラール認証を受けたブラジル産の鶏肉を取り出しながら、「全ての材料をそろえることは大変だ」と述べた。
日本に2つしかないハラール認証機関の一つで、2010年に創設されたNPO法人「日本ハラール協会(Japan Halal Association)」の理事長、ヒンド・レモン・史視(Hind Hitomi Remon)氏はAFPの取材に対し、ハラール関連市場は盛況だと話す。
同氏の説明によれば、世界ハラール評議会(World Halal Council、WHC)のアソシエートメンバーである同協会は、2012年以来40社にハラールの認証書を発行し、2020年に東京でのオリンピック開催が決定したことにより、その数は今年大幅に増える見込みだという。
一方、たとえイスラム教徒の旅行者たちが日本で食事をしたいと思わなくても、ハラール認証を受けた醤油や秋田産のコメなど、イスラム圏へ農産物を輸出しようと試みる業者も存在する。
ただ、イスラム教徒向けにサービスを提供するビジネスは、その市場が十分拡大するまで、その他の客に対する配慮もしばらくは続ける必要があるという。
ディアスさんが経営する焼き肉店では、客の半分がイスラム教徒だ。それでも他の常連客の要求にもしっかりと対応することは欠かせないと話す。「アルコール飲料を販売しないここでの商売は大変だよ」
(c)AFP/Jacques LHUILLERY