米国でまた死刑執行失敗か、「2時間近く苦しみ死亡」
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【7月24日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州で23日、刑の執行を受けた死刑囚が、薬物投与から2時間近く後に死亡した。刑務所関係者が明らかにした。米国では薬物投与による死刑執行の是非に関する議論が続いており、刑執行の失敗とみられる事例が再び起きたことを受け、国内では死刑反対の声が高まっている。
刑が執行されたのは、交際相手の女性とその父親を射殺したとして1989年に死刑が確定したジョセフ・ウッド(Joseph Wood)死刑囚(55)。弁護士は声明で、薬物投与によって静かに死を迎えるはずだった同死刑囚が、1時間40分にわたり苦しんだ末に死を迎えたと述べた。
弁護士はまた、使用された薬物はミダゾラムとモルヒネの2種類を混合した実験的なものだったと説明している。死刑反対団体によると、この混合薬物は今年オハイオ(Ohio)州の刑務所で1回だけ使用されたことがあるが、その時の死刑執行も失敗に終わっていたという。
アリゾナ州のジャン・ブリューワー(Jan Brewer)知事は、ウッド死刑囚の薬物投与から死亡までに要した時間の長さに懸念を表明し、調査を命じたことを明らかにした。
米国では、今年に入ってオクラホマ(Oklahoma)州で起きた死刑執行の失敗を受け、薬物投与による刑執行の有効性についての懸念が高まっている。死刑反対派は、薬物注射による死刑執行が再び「失敗」したことに衝撃を受けていると述べるとともに、すでに大半の国が廃止した死刑制度を米国でも廃絶させるため、一層の努力を払うと宣言している。(c)AFP/Chantal VALERY