【6月27日 AFP】米テキサス(Texas)州で26日、1976年に死刑制度が復活して以降500人目となる死刑が執行された。米国でも死刑執行は減少傾向にあるなかで、テキサス州の死刑執行数は最多。

 26日に刑が執行されたのは、1997年に71歳の女性を殺害したとして、死刑を宣告された黒人女性のキンバリー・マッカーシー(Kimberly McCarthy)死刑囚(52)。裁判では陪審員全員が白人だったことから、マッカーシー死刑囚は陪審員選考に問題があるとして裁判のやり直しを求めていたが訴えは却下され、同死刑囚に対する刑がテキサス州ハンツビル(Huntsville)刑務所で薬物注射によって執行された。

 米国では1976年に連邦最高裁が死刑執行の猶予期間(モラトリアム)を解除して以来、これまでに刑が執行された死刑囚は1336人に上り、このうち3分の1以上をテキサスが占める。

 複数の世論調査によれば、死刑制度を支持する米国人の割合は60~65%で、ほぼ二分される保守派とリベラル派支持の割合を上回る。

 だが最近では、各州の陪審団や当局者が刑の執行に消極的な傾向にある。2012年に刑が執行された死刑囚は43人で、最も多かった2002年の71人から減少している。現在、全米には計3125人の死刑囚がいる。

 全米50州のうち32州が死刑制度を維持しているが、多くは事実上の刑執行猶予期間にあり、死刑はほとんど執行されておらず、死刑囚らは獄中生活を送りながら年老いていく。(c)AFP/Chantal Valery