【7月22日 AFP】中国北部の港町、大連(Dalian)にあるショッピングモール「大世界大都会(World Metropolis)」には、「女性専用」と表示された特別な駐車スペースがある。ピンク色で枠が指定され、他の駐車スペースよりも四方が30センチ広い。

 公には男女同権を掲げつつ、実際には昔ながらの性差別が依然、後を絶たない中国で、この駐車スペースが賛否両論を呼んでいる。

 大連市中心部にあるこのショッピングモール自体は、都市化の波とともに中国全土に登場した他の商業施設と何も変わらないが、一つだけ特別なのは、正面口に10台分の広めの駐車スペースを設けたことだ。モール運営者らは、標準サイズのスペースにうまく駐車できない女性客が多かったことを設置の理由としている。

 ある女性客は「他のスペースは狭すぎるから、とても便利。性差別だとは思わない。単に駐車する際に、女性は視界の点で少々問題があるというだけ」と歓迎する。

 しかし中国のソーシャルメディアでは、ショッピングモールの経営陣は性差別的で考え方が古いといった批判が噴出している。ある投稿は「これは一見、女性を尊重しているようで、その実、侮辱している」と非難している。

 経営側は差別意識を否定している。女性幹部のヤン・ホンジュンさんは「わが社の顧客の大多数を占める女性たちにとって利用しやすくしたかっただけ。女性に対する侮辱ではまったくない。駐車スペースを広げたのは実用的な理由で、女性の方が男性よりも運転が下手ということではない」と釈明した。