この日のジーターの安打は、いったんは議論を呼んだ。1回だけでマウンドを降りたウェインライトは、報道陣に対し、将来の野球殿堂入りは間違いないと言われるジーターよりも目立ち、彼のための瞬間を台無しにしたくはなかったと話した。

 ウェインライトは「気持ちよく打ってもらおうと思ってた。二塁打を打つつもりだったかは分からないけどね」とコメントしている。

 ジーターも試合後、ウェインライトの贈り物に感謝するコメントを発した。

「ど真ん中に投げてくれたんだとしたら、ありがたいね。それでもヒットがやっとだったけど。まあ結構なことじゃないか。こうなったらほかの選手にも、僕の時はど真ん中に投げるよう言っておいてくれないかな」

 しかしウェインライトはその後、先のコメントは冗談のつもりだったと釈明した。

「僕のユーモアは時々上手く伝わらないみたいだ。言葉を誤った。わざと打たせたわけじゃないのは理解してほしい。デレクのための試合にしたかったし、もし何かの原因で、彼の瞬間が台無しになったんだとしたら、心から謝る。これまでのキャリアで、わざと打たせるためにマウンドへ上がったことは一度もない」

 一方のナ・リーグは、10度あった得点圏の走者を1度しか還せない中、ジョナサン・ルクロイ(Jonathan Lucroy)が2本の二塁打で2打点と気を吐いた。一昨年まではオールスター3連勝を飾っていたナ・リーグだが、これで連敗となっている。

 ミネアポリスでオールスターゲームが開催されるのはこれが3度目。1985年にメトロドーム(Metrodome)で開催された1回目は、ナ・リーグが6-1で快勝している。

 来年の第86回オールスターゲーム(86th All-Star Game)は、オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)のグレート・アメリカン・ボール・パーク(Great American Ball Park)で行われる予定となっている。(c)AFP