【7月11日 AFP】米大リーグ(MLB)のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)は10日、両リーグ最多タイの12勝を挙げている田中将大(Masahiro Tanaka)投手が、右肘靱帯の部分断裂のため最低でも6週間離脱すると発表した。

 田中は8日の登板で、メジャー移籍後では最悪の内容に終わり、その翌日には故障者リスト(DL)入りしていた。手術が必要となった場合はシーズン絶望となるが、回避の可能性は残されている。

 ヤンキースのブライアン・キャッシュマン(Brian Cashman)GMは、田中が3人の医師の診察を受け、MRI検査を行った結果、右肘靱帯の部分断裂と診断されたことを明かした。

 25歳の田中について、手術を勧めた医師は1人もおらず、代わりに8月下旬にはマウンドに戻れる可能性のあるリハビリテーションが提案されたとしている。

 キャッシュマンGMは「6週間以上かからないことを願う。時間が答えを教えてくれるだろう。残念な状況であり、われわれの誰一人として、こんなことは話したくも、予想したくもなかった」と語った。

 キャッシュマンGMはまた、断裂は小さいと話しており、田中が翌週ニューヨーク(New York)で血小板を高濃縮した血漿を患部に注入することを明かした。

 もしリハビリテーションの結果が思わしくなければ、靱帯を再建する「トミー・ジョン(Tommy John)」手術が必要になる可能性が高い。この手術を受けた場合、復帰には通常1年から1年半を要する。

 キャッシュマンGMも「もちろん、解決策になるという希望があるから、現在のような手順が勧められているわけだ。しかしリハビリが上手くいかなければ、今度はトミー・ジョンを勧められる可能性は否定できない」と話している。

 田中は昨季、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルス(Tohoku Rakuten Golden Eagles)でレギュラーシーズン無敗の記録を打ち立て、7年総額1億5500万ドル(約161億円)でヤンキースに加入した。

 田中は開幕から11勝1敗、防御率1.99の成績を残していたが、その後は1勝3敗、防御率4.25と成績が落ち込み、クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)に3-5で敗れた9日の試合でも、6回3分の2を投げて自己ワーストとなる10安打5失点を許した。

 メジャー1年目でここまで12勝4敗、防御率2.51の成績を残している田中は、15日に開催される第85回MLBオールスターゲーム(85th All-Star Game)のメンバーに選出されていた。

 しかし田中のDL入りを受けて、オールスターにはボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の上原浩治(Koji Uehara)が選出されている。

 これにより、ヤンキースは開幕当初の先発5人のうち4人が負傷離脱することになる。

 キャッシュマンGMは「残念だ。彼は重要なピースだ。そしてわれわれはすでに、重要なピースを数多く失っている。穴を埋める方法を探し続けなければならないし、マサヒロの見通しが明るいことを願っている」と語った。(c)AFP