【7月9日 AFP】サッカードイツ代表のヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、ブラジルに7-1で大勝したW杯ブラジル大会(2014 World Cup)準決勝について、ブラジル代表が作ったムードに冷静に対処したことが、勝利の土台になったと話している。

 ブラジルは、国中の期待の高まりが作り出す熱っぽい雰囲気と、負傷したネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)のために優勝をという声が執拗(しつよう)に叫ばれる状況の中、試合を迎えた。

 ところがドイツは、そうした生の感情を正面から受け止め、訪れたチャンスを決め切った。

 アルゼンチンとオランダの勝者と対戦する決勝へ駒を進めたレーブ監督は、「ああいった情熱や感情を、冷静に、勇気を持って、自分たち自身の強さで受け止めたことが重要だった」と語った。

 ドイツは前半中盤、6分間に一挙4得点を決めるという桁外れの猛攻を見せ、そこで一気に試合を決めた。レーブ監督は、ブラジル守備陣の混乱を容赦なく突くことができたと話している。

「向こうは失点にショックを受けていて、おかげでわれわれにとっては楽な展開になった。全員が完璧に集中して、自分の仕事を見事にこなしてくれた。上手く攻めたし、連携も素晴らしかった」

 ドイツが母国開催のW杯(2006 World Cup)準決勝で、延長戦の末イタリアに0-2で敗れた8年前、レーブ監督は代表の助監督を務めていた。

「イタリア戦のことは覚えている。延長後半14分に得点を決められて負けた試合だ。だからスコラーリ監督や選手、ブラジル国民の気持ちは分かる」

「わが国での、2006年大会は忘れられない。どれだけ決勝へ行きたかったか。どの国にとっても、あの失望は計り知れない」

「ブラジルにとって、消化するのが難しい敗戦なのは間違いない。今日までブラジルは、何より開催国として、最高のW杯を送ってきた」

「彼らのサッカーへの情熱と、国民は素晴らしい。しかしもちろん、この敗戦は受け入れるのが難しいだろう」

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