【7月8日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では7日、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がイスラエル側にロケット弾数十発を撃ちこみ、これにイスラエル側も数十回の空爆で応じるなど、暴力の応酬が続いており、大規模な紛争への発展が懸念されている。

 パレスチナ人少年がユダヤ人過激派に惨殺された事件を受け、アラブ人居住区で5日前から続く暴動の収拾をイスラエル当局が試みる中で起きたこの武力応酬は、イスラエルがガザに大規模空爆を行った2012年11月以降で最悪規模となっている。

 イスラエル軍は、1時間あまりの間にガザ側からイスラエル南部に向けて40発を超えるロケット弾が発射され、30発ほどが着弾したとみられると発表。これまでのところ、死傷者が出たとの報告はない。

 ロケット弾攻撃については、ガザを拠点とするハマスの軍事部門イザディン・アルカッサム(Ezzedine al-Qassam Brigades)が、「イスラエルのパレスチナ人に対する犯罪行為への当然の反応だ」として実施を認めている。

 パレスチナ治安当局や目撃者からAFPが得た情報によると、ロケット弾攻撃から間もなく、イスラエルはガザ南部ラファ(Rafah)近郊のイスラエルとの境界近くにある、密輸トンネルが多数掘られた地域の約30か所余りの攻撃目標を空爆。少なくとも12人が負傷した。

 ガザからのロケット弾攻撃の数時間前、イスラエルはガザ全域の16か所に空爆を行っている。前夜にも14か所を空爆しており、少なくともハマスの戦闘員1人と武装勢力「民衆抵抗委員会(Popular Resistance Committees)」の戦闘員2人の計3人が死亡した。

 このほかにも、ラファ近郊の密輸トンネルが崩壊し、ハマスの戦闘員5人が死亡、1人が重体となっている。ハマスはイスラエルの空爆によるものだと主張しているが、イスラエル軍はハマスの戦闘員が爆発物を誤って爆発させた事故だとして空爆が原因であることを否定した。(c)AFP/Adel ZAANOUN