【7月4日 AFP】訪韓中の習近平(Xi Jinping)中国国家主席は4日、ソウル大学(Seoul National University)で講演し、中国と韓国は日本の軍国主義に苦しめられた過去を共有していると強調した。

 習主席は「20世紀前半、日本の軍国主義者は中国と韓国に対して野蛮な侵略戦争を行い、朝鮮半島を併合し、中国本土の半分を占領した」と述べた。その上で、「抗日戦争が最高潮に達した時、中韓の人々は互いの苦しみを分かち合い、血と汗を流して助け合った」と付け加えた。

 習主席は3日から韓国を公式訪問中。友好国の北朝鮮よりも早い公式訪問は、北朝鮮に対する冷遇を示したととらえられている。

 だが、主要な議題とみなされていた北朝鮮の核兵器開発について習主席はソウル大での講演でほぼ取り上げず、「朝鮮半島の非核化」の必要性と、対話を通じた緊張と問題の解決の必要性に触れたのみにとどまった。

 韓国政府は、3日の中韓首脳会談で北朝鮮の核開発に対し明確に警告する共同声明を発表したい考えだった。しかし、最終的な共同声明文は、朝鮮半島における核兵器開発に中韓両国が「断固として反対」することを再確認しただけの内容となった。(c)AFP/Park Chan-Kyong