【6月30日 AFP】交際相手を射殺したとして殺人罪などに問われている南アフリカの両足義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告の裁判が30日再開され、約1か月をかけて行われた精神鑑定の結果、異常はなかったとする報告が公表された。

 この日の公判で、ゲリー・ネル(Gerrie Nel)検事は「ピストリウス氏が問われている罪について、刑事責任を問えないとする精神疾患や精神障害は認められなかった」と述べた。

 ネル検事は精神医学の専門家による委員会と心理学者が4週間をかけて検査し、心理学者が準備した2つの報告書のうちの1つを読み上げた。報告書はいずれもピストリウス被告の刑事責任能力を認める結果だった。ネル検事はさらに、「ピストリウス氏には自らの行為の不法性を理解する能力がある」と述べた。ネル検事が報告書を読み上げる中、ピストリウス被告はまっすぐ前を見つめていた。

 ピストリウス被告は、交際相手だったリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さん(当時29)をトイレの扉越しに9ミリ拳銃で撃ったことは認めているが、真夜中だったために、自宅に侵入した何者かだと思い誤って撃ったと主張している。

 1か月に及ぶ精神鑑定は弁護側証人の1人が、被告が「全般性不安障害」を患っていたと証言したために裁判長が命じた。同裁判は引き続き弁護側の最終証人尋問に移る。(c)AFP/Stephanie Findlay