【6月30日 AFP】パキスタン北部パンジャブ(Punjab)州の村で28日、18歳の少女との結婚を断られた男が、この少女にガソリンを浴びせ火をつけて殺害する事件があった。警察が29日、発表した。

 地元警察によると、逮捕されたファヤーズ・アスラム(Fayyaz Aslam)容疑者(22)は、両親の外出中に自宅で一人留守番をしていたシドラ・シャウカット(Sidra Shaukat)さん(18)を訪ねると、シドラさんの体にガソリンをかけて火を放った。シドラさんは地元の病院に搬送されたが、そこから規模の大きい病院に移送される途中に死亡したという。

 警察によると、アスラム容疑者は思いを寄せていたシドラさんに求婚したが、シドラさんの家族に拒否されていた。

 シドラさんの父親はAFPの取材に、アスラム容疑者はシドラさんにしつこく言い寄っていたと語った。「きのう(28日)の午後、また彼がやってきたので二度と来ないようにと言ったら、ひどい目にあうぞと脅された」という。

 パンジャブ州では26日、親族の意に逆らって結婚した17歳の少女と31歳の夫が、少女の親族らに刃物で殺害される事件が起きたばかりだった。この事件では、少女の両親とおじ2人、祖父が家族の名誉を守るために2人を殺害したと認めている。

 パキスタンでは、多くの女性が結婚相手を自分で決めることが許されておらず、親族の意に逆らうことは一族の恥と考えられている。(c)AFP