元代表の松井、「『小さなサムライ』に期待しすぎは禁物」
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■あっさりと敗退したブラジル大会
チームがあえなく敗退したことを受けて、日本代表のアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)監督が退任を発表したが、2011年のアジアカップ(AFC Asian Cup 2011)では同監督率いる代表に入っていた松井は、退任は避けられないことだと話した。
33歳の松井は、「ザッケローニ監督が代表で目指した方向性は間違いだったとは思いませんが、結果がすべてです。W杯は、親善試合やコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2013)とは全然違う」と語った。
「残念だけど、日本は今回のW杯で自分を出せなかった。親善試合で日本に来る対戦相手は、ほとんどが観光気分ですけど、今回のW杯を見てると、南米勢なんか目をぎらぎらさせてます。戦争ですよ。僕らも今回の苦い経験から学ばないといけません」
今大会の日本代表は23人のメンバーのうち、12人が欧州でプレーする選手だったが、もっと多くの選手が海外へ羽ばたくようになれば、それは代表の利益にもなると話した。
「フランスやイングランドは特に体のぶつかり合いが激しいリーグです。欧州で外国の選手に混ざってプレーして、いろんな経験を積むのは、間違いなく良いことしかありません」
2004年にル・マンに加入した際、松井には通訳がついておらず、そのためインターネットがつながらなくなったり、電化製品が故障したりした時は自分で直すしかなかった。フラストレーションもたまったが、そうした経験は松井にとっては糧になった。
現在、Jリーグ2部(J2)のジュビロ磐田(Jubilo Iwata)でプレーする松井は、「練習の時も、分かるフランス語は『ウィ(はい)』と『ノン(いいえ)』だけだった。とにかく慣れるしかありませんでした。冷蔵庫が壊れた時も、自分で何とかしろって言われた。買い物したり、電球を替えるだけでも大変でした」と話した。
「フランス語で怒ったり、いろんなことがやっとできるようになったのは4年目です。きつかったけど、そうした逆境の中で成長できました」
「久保君や中井君がどこまで行けるかはわからないけど、まわりの奴らを見返してやるっていう気合を2人が持ってることに、本当に期待してます。日本と世界の差は詰まってますけど、突き抜けるにはスーパープレーヤーが必要ですよ」
(c)AFP/Alastair HIMMER