【6月28日 AFP】ウルグアイ代表のオスカル・タバレス(Oscar Tabarez)監督は27日、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)で対戦相手をかんだとして4か月のサッカー活動禁止という「行き過ぎた厳罰」を受けたルイス・スアレス(Luis Suarez)は、「スケープゴート」にされたと語った。

 決勝トーナメント1回戦のコロンビア戦の前に行われた記者会見で、「人々は忘れがちだが、スケープゴートは権利を持った人間なのだ」と、タバレス監督はあらかじめ用意した声明を読み上げた。

「ルイス・スアレスの件について言えば、彼は犯したかもしれない過ちの一方で、ピッチの上でサッカー界に多大な貢献をしている」

 ジャーナリストとの質疑応答を拒否したタバレス監督は、罰則が「メディアの意見に影響を受け過ぎている」と主張した。

 スアレスは24日にナタル(Natal)で行われたグループDの試合で、イタリア代表のDFジョルジョ・キエッリーニ(Giorgio Chiellini)の左肩をかんだのを受けて、26日に国際サッカー連盟(FIFA)から9試合の出場停止と4か月のサッカー活動禁止処分を言い渡された。

 タバレス監督はリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で行われた記者会見で声明を読み終えると、ウルグアイ人のジャーナリストから一斉に拍手喝采を受けた。

 タバレス監督はまた本件を受けて、自らが務めているFIFAの技術研究グループと戦略会議の職務を辞任すると発表した。(c)AFP/Tom WILLIAMS