【6月21日 AFP】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は20日、1週間の停戦を一方的に宣言した。一方で東部工業地帯で新たに兵士13人を殺害した親露派武装勢力を抑え込むための包括的な計画についても明らかにした。

 東部のドネツク(Donetsk)州を訪れたポロシェンコ大統領は、政府による全面的な「反テロ」作戦が展開される4月13日までは人気の湖畔リゾート地だった地域の住民らに対し、同日から27日まで停戦とすると述べた。軍の報道官は、20日午後10時(日本時間21日午前4時)から公式に停戦とすることを明らかにしている。

 しかし、ポロシェンコ大統領が提示したこの計画について親ロシア派の上級司令官は受け入れを即座に拒否している。

「我々の国土から部隊を全面的に撤収するまで、誰一人として武器を置くことはない」とルガンスク(Lugansk)人民共和国を一方的に宣言しているワレリー・ボロトフ(Valeriy Bolotov)氏は述べ、抵抗する姿勢を変えていない。

 同国国家安全保障当局報道官の報告によると、直近の戦闘では兵士13人が死亡しており、過去1週間で戦闘が激しさを増していることが浮き彫りとなっている。

 また米政府高官によると、ロシアはウクライナの近くに「(親ロシア)分離派勢力に積極的な支援を行うため、軍隊を『大きく』展開しており、その地域は、3月のクリミア侵攻以来、最も(国境)近くに」迫っているという。

 これより先に、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の報道官は「ロシア国境の保護強化」のための若干の部隊配置を認めていた。(c)AFP/Sergiy BOBOK and Dmitry ZAKS in Kiev