■女性の労働参加率、131か国中120位

 インドでは人口12億人のうち約半数を女性が占める。しかし国際労働機関(ILO)の2013年の統計によると、女性の労働参加率は131か国中120位と最下位に近い。

 インドのバイオ・医薬品大手バイオコン(Biocon)の女性創業者で取締役のキラン・マズムダル・ショウ(Kiran Mazumdar Shaw)氏は、本当に才能のある人材を活躍の場から遠ざけているのは、女性のビジネスセンスの欠如というよりも、男性社会インドが持つ「認識のハードル」だと話す。彼女自身も36年前に同社を立ち上げた際は、そうした「信頼性の問題」に苦労したという。

 また女性の側も前に出ることをためらっているとの指摘もある。こうした女性は、取締役会に新たな視点を持ち込むのではなく、単に形式的な承認を与えることだけを期待されるのではないかと懸念しているという。

 そうしたことから、すでに実業界で一定成功している少数の女性の中から「知った顔」を選ぶか、最近の動きのように親族内の女性を起用する方が企業にとっては容易なのだ。新法の成立後は、衣料品大手レイモンド・グループ(Raymond Group)や、複合企業モディ・グループ(Modi Group)などの有名企業が、経営者の親族の中から女性取締役を起用している。

 リライアンスの取締役に就任する見通しのニタ・アンバニ氏は、クリケットチーム「ムンバイ・インディアンズ(Mumbai Indians)」の共同オーナーとしての地位を除けば、ビジネス経験はほとんどない。彼女の最も良く知られている業績は、ムンバイの高層ビル群の中でも際立つ「世界で最も高額の邸宅」を建てたことだ。(c)AFP/Aditya PHATAK