【6月19日 AFP】レアル・マドリード(Real Madrid)が12季ぶりに制した欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2013-14)でトロフィーを掲げてから約1か月、スペイン代表のイケル・カシージャス(Iker Casillas)にとって、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)は再び世界一の称号を手にする大会になるはずだった。――しかし、チリに0-2で敗れたスペインのグループリーグ敗退が決まり、カシージャスとチームには厳しい現実が待っていた。

 2002年の日韓大会でのフランス、2010年南アフリカ大会(2010 World Cup)でのイタリアよりもあっけなく敗退が決まったことで、スペイン代表はユニホームの色と同じように、顔を赤くすることになった。

 スペインは前半20分にエドゥアルド・バルガス(Eduardo Vargas)、さらにハーフタイム2分前にチャルレス・アランギス(Charles Aranguiz)に得点を奪われると、ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)監督の下で欧州選手権(UEFA Euro)連覇と同国初のW杯戴冠を果たしたチームの6年に及ぶ覇権は終わりを迎えた。

 カシージャスは、レアルの本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で難しい2シーズンを過ごしてきた。チームでポジションを失ったことで、代表チームでの守護神としての地位も揺らいでいたが、最後はレアルの通算10度目の欧州制覇に貢献した。

 そしてカシージャスは現在、国際舞台では前例のないスペイン1強時代の終焉を直視せざるを得ない状況にいる。

 33歳のカシージャスは、2012年の欧州選手権(UEFA Euro 2012)の決勝に勝利したことで、代表通算100勝に到達した唯一の選手となり、大会を通じてもわずか1点しか失点を許さなかった。

 しかしブラジル大会では、わずか2試合で7失点を喫しており、これはスペイン代表のW杯過去2大会の合計失点数よりも1点多い。

 この日の2失点目も、カシージャスのミス絡みだった。FCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するチリのアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)のFKは防いだものの、ボールをフリーのアランギスの前に弾いてしまい、逆を突くシュートを決められた。

 この失点には、レアルのチームメートであるシャビ・アロンソ(Xabi Alonso)も、FKを与えるという形で関与している。