【6月16日 AFP】イスラム武装勢力「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」の戦闘員らが、捕虜にしたイラク治安部隊の隊員数十人を処刑したことが、インターネット上で公開された写真で明らかになった。

 首都バグダッド(Baghdad)北方のサラハディン(Salaheddin)州で撮影されたとされる一連の写真は、マイクロブログのツイッター(Twitter)などに掲載されたが、その信ぴょう性は中立的な立場からは確認できない。

 うち1枚の説明書きでは、数百人が処刑されたとされているが、AFPが確認した写真に写っていた遺体の数は数十体だった。

 ISILが率いる武装勢力は9日、同国で大規模な武力闘争を開始し、これまでに国内1州の全域と、3州の一部を制圧した。武装勢力には処刑されたイラクの独裁者、サダム・フセイン(Saddam Hussein)氏の支持者も含まれている。

 公開された写真の1枚には、平服を着た裸足の男性らが背中を曲げて地面を向き、戦闘員らが見張る中、1列になって行進する様子が写されている。男性らはその後、複数のトラックに乗せられたが、うち少なくとも1台は武装勢力が奪った治安部隊の車両だった。

 別の写真には、地面に掘られた浅い溝の中で横になる男性らと、それを見下ろす戦闘員らが写されており、戦闘員の1人はISILの旗を持っている。写真に写った黄色いシャツの男性は、命乞いをしているようにも見える。その後の写真には、アサルトライフルで武装した戦闘員たちが溝に向け発砲する様子が写されている。(c)AFP