【6月9日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は8日、バチカン市国にイスラエルのシモン・ペレス(Shimon Peres)大統領とパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長を招き、異例の平和祈願の共同式典を開催、中東和平に向けた対話を促した。

 アッバス議長とペレス大統領はバチカン到着後、互いに温かい挨拶を交わし、フランシスコ法王と東方正教会のコンスタンチノープル総主教バルトロメオス1世(Bartholomew I)と法王邸宅の外で面会した。

 4人はその後、バチカン庭園(Vatican Gardens)で開催された式典に出席。ぺレス大統領は和平への努力は「義務」、そして「神聖な使命」であると述べた。さらにアッバス議長も、中東に安定をもたらすための「包括的かつ公正な和平」を呼び掛けた。

 式典ではキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の祈りが行われ、ペレス大統領は「平和に向けた異例の呼びかけ」だったと述べた。

 式典の後、4人は共にオリーブの木を植え、さらに非公開会談を行った。フランシスコ法王は「和平には、戦争よりも大きな勇気が必要だ」と述べた。

 パレスチナでは先週、イスラム組織ハマス(Hamas)が支援する暫定統一政府が発足。イスラエル政府はこれに対抗し、3200戸の入植者住宅建設計画を発表しており、両者間の緊張が高まっている。

 ローマ法王は、先月中東を訪問した際、アッバス議長とペレス大統領をバチカンに招待していた。(c)AFP