【6月11日 AFP】夏季五輪開催から2年後、高地で息が詰まるような暑さのメキシコで1970年サッカーW杯が開催された。

 この大会では攻撃的なサッカーが展開された。ペレ(Pele)を擁するブラジルは、大会開幕から最後まで素晴らしいパフォーマンスを披露した。

 ペレが現在でも語り継がれるゴードン・バンクス(Gordon Banks)の素晴らしいセーブに遭ったものの、ブラジルはグループリーグで前回王者イングランドに1-0で勝利した。

 威厳のあるフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)と絶好調のストライカー、ゲルト・ミュラー(Gerd Mueller)を擁した西ドイツは、延長戦までもつれた準々決勝でイングランドを3-2で破り、1966年W杯イングランド大会決勝で敗れたリベンジを果たした。

 イタリアは、同じく劇的な展開となった準決勝で西ドイツに4-3で勝利した。一方、準々決勝でペルーを退けたブラジルは、準決勝でウルグアイを3-1で下した。

 そしてブラジルは、決勝で「ビューティフルゲーム」を演じてみせた。ペレ、ジェルソン(Gerson de Oliveira Nunes)、ジャイルジーニョ(Jair Ventura Filho aka Jairzinho)、そしてカルロス・アウベルト(Carlos Alberto Torres)が得点を記録したブラジルは、イタリアに4-1で圧勝して通算3度目のW杯優勝を飾り、ジュール・リメ杯(Jules Rimet Trophy)の永久所有権を獲得した。(c)AFP