【6月4日 AFP】情勢不安が続くウクライナ東部で、親ロシア派のジャーナリスト、アルチョーム・ラリオノフ(Artyom Larionov)氏(36)が、3週間以上にわたり治安当局によって身柄を拘束されていると、同氏の母親が3日、語った。

 同国東部ドネツク(Donetsk)でAFPの取材に応じた母親によると、親露派による反乱の中心地となっているスラビャンスク(Slavyansk)で親露派と政府軍の戦闘を取材していたラリオノフ氏は、検問所を通過しようとした際にウクライナ国民防衛軍(National Guard of Ukraine)によって拘束された。

 戦闘の様子を撮影するためスラビャンスク入りしていた同氏は、5月10日に同地を離れ、ドネツクへの帰路についたが、「クラマトルスク(Kramatorsk)の手前で国民防衛軍の兵士らに拘束され、以来音信不通になっている」と、母親は語った。同氏は当時、検問所を無事通過したことをクラマトルスクで待つ友人らが確認できるよう、携帯電話を通話状態にしていたため、友人らは同氏が拘束されたことが分かったという。

 ドネツクに近いスラビャンスクやクラマトルスク一帯は、親露派の武装勢力とウクライナ軍がとの間でここ数週間続く戦闘の激戦地となっている。

 ウクライナ軍が同域の本部を置くイジューム(Izyum)の国民防衛軍の報道官は、この件に関するコメントは差し控えるとしている。

 フリージャーナリストのラリオノフ氏は、ドネツクをはじめウクライナ東部の戦闘で荒廃した地域の現状について取材し、親露派のウェブサイトや動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)に動画を投稿していた。(c)AFP