【5月30日 AFP】ウクライナ東部で29日、親露派の武装集団がウクライナ軍のヘリコプター1機を撃墜し、将軍1人を含む将兵12人が死亡した。25日に投開票が行われたウクライナ大統領選で勝利したペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)氏は、同国の産業地帯である東部を混迷させている7週間に及ぶ反体制の動きを鎮圧する固い決意を示しているが、事態収拾には程遠い様子がうかがえる。

 オレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は議会で、「スラビャンスク(Slavyansk)付近で、ロシア製の携帯式地対空防衛システム(Man-Portable Air-Defense SystemMANPADS)を使用しているテロリストらが、われわれのヘリコプターを撃墜したという情報を入手した」と述べた。

 死亡した12人の中には、将軍1人に加え、志願兵や内務省所属の部隊からなるウクライナ国民防衛軍(National Guard of Ukraine)の要員6人も含まれていた。

 この被害は、今月22日に同じくドネツク(Donetsk)州で数時間に及んだ激しい戦闘により、ウクライナ軍兵士18人が死亡したのに次ぐ最悪の規模となった。

 親露派の報道官は先にロシアの報道機関に対し、同機は激しい戦闘中に撃墜され、この戦闘はスラビャンスク南郊で続いていると語っていた。同報道官はこの戦闘を「軍事行動」と呼び、その戦闘によって一般市民の「複数の家屋」で火災が発生したと述べた。(c)AFP/Dmitry ZAKS