【6月3日 AFP】先月末に世界最高峰エベレスト(Everest)の登頂に女性最年少で成功した13歳のインド人少女が2日、エベレスト登頂の体験を語った。

 この少女は、農場労働者の家庭に生まれたインド人女子生徒、マラバト・プルナ(Malavath Poorna)さん(13)。プルナさんはインドのカースト(身分制度)でかつては「不可触民」と呼ばれていた最下層ダリット(Dalit)の出身で、友人で同じダリット出身の16歳の少女とネパール人登山ガイド10人とともにエベレスト登頂に挑戦。先月25日に、危険を伴い登頂が困難とされる中国チベット側から登頂を果たし、山頂にインド国旗を立てた。

 ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で帰国を前にAFPの取材に応じたプルナさんは、「エベレスト登頂の訓練を始めたのは、去年の9月。両親もインストラクターも、すごく応援してくれた」と語った。

 プルナさんは、故郷のインド・テランガナ(Telangana)の熱帯性気候とは別世界の厳しい寒さや高地に対応するため、ヒマラヤ(Himalaya)山岳地帯のラダック(Ladakh)の岩山や氷で覆われた地形で7か月の訓練を積んだ。

 52日間におよんだプルナさんたちのエベレスト遠征は、インド政府が運営する社会福祉団体の援助で実現した。

 プルナさんは、登頂には自信があったが、山頂を目前にしたところで、ちょっとだけ緊張したと語った。「その朝、山頂に向かう途中で6人の遺体を見ました。インストラクターから山で亡くなった登山家たちの遺体は、そのまま山に残していくのだと聞いてはいたけど、やっぱり実際に目にしたらショックだった」と話した。

 プルナさんのエベレスト登頂は、最も信頼度が高いとされるヒマラヤ登山に関する記録をまとめた「ヒマラヤン・データベース(Himalayan Database)」に認められた。

 一方中国およびネパール政府は、これまでのところプルナさんのエベレスト登頂を認めていない。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY