【5月26日 AFP】ネパール当局は24日、史上最悪の雪崩事故で16人が犠牲となった世界最高峰エベレスト(Everest)への今シーズン初登頂に、中国人女性登山家の王静(Wang Jing)さん(41)が成功したと発表した。ただし、登山行程の一部でヘリコプターを使用したため、正式な登頂者として記録するかは検討中だという。

 ネパール観光省のマドゥスダン・ブルラコティ(Madhusudan Burlakoti)氏はAFPに対し、王さんは23日夜、5人のシェルパ(ネパール人登山ガイド)とともにエベレスト山頂に到達したと説明。「王さんは、ネパール側からエベレストに到達した今季初の登山家だ」と述べた。

 一方で同氏は、王さんが行程のかなりの部分をヘリコプターを使って空路で移動したことを指摘。正式な登頂者として王さんを記録するか否かについては現在、関係当局で検討中だと明かした。

 標高8848メートルのエベレストでは4月18日、シェルパ16人が死亡・行方不明となる史上最悪の雪崩事故が発生。シェルパらは今シーズンの登山中止を決定し、事実上の閉山状態となっていた。

 こうした中、王さんと米国人女性登山家の2人が今月、遠征を再開。通常はシェルパたちがシーズン前に登山ルートに設置するロープやはしごの準備が間に合わなかったことから、王さんの登山隊はベースキャンプから標高6400メートルの第2キャンプまでをヘリコプターで移動した。

 一方、米国人女性登山家のクレオニス・ウェイドリック(Cleonice Weidlich)さん(51)も空路で8日に第2キャンプに到着したが、その後は現在まで連絡が取れていないという。ウェイドリックさんは単独でエベレストに連なるローツェ(Lhotse)登頂を目指している。(c)AFP/Kamal Pariyar