【5月28日 AFP】ナイジェリアの少女集団拉致事件で、捜索が続いている200人以上の女子生徒の解放を促すため、オルセグン・オバサンジョ(Olusegun Obasanjo)元大統領が事件を起こしたイスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に近い人物らと会ったと、消息筋が27日AFPに明らかにした。

 匿名を条件に取材に応じたこの情報筋によると、同国南部のオグン(Ogun)州にあるオバサンジョ氏の農場で先週末行われたというこの会合には、同氏とボコ・ハラム幹部の親族らに加え、複数の仲介役が出席。「(拉致されている)少女らを交渉を通じてどのように解放していくかが話し合いの焦点だった」としている。

 この会合が政府の承認を受けて行われたのかは明らかになっていない。現在もナイジェリア政界で影響力を持つオバサンジョ氏に対し、AFPは27日電話取材を申し込んだが、質問には応じてもらえなかった。しかしこの情報筋によるとオバサンジョ氏は先に、ナイジェリア政府が外国軍による捜索支援を受け入れたことに懸念を示していたという。

 オバサンジョ氏は2011年の大統領選で、グッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)現大統領を支持したが、その後2人の関係は冷え込んでいるという見方が広まっている。同情報筋の話では、ナイジェリアで拘束されているボコ・ハラムの戦闘員らの釈放と引き換えに拉致被害者の一部を解放するという交換条件に、オバサンジョ氏は賛成していたという。いまや一市民となり、現大統領との関係も悪化しているオバサンジョ氏には、政府の代表として交渉を行う権限はないとみられる。

 一方ナイジェリア政府は、戦闘員らと少女らの交換に応じる可能性について公式に否定しているが、少女らの解放に向けボコ・ハラムと協議するため、仲介者の派遣は行っている。(c)AFP/Ben Simon