【5月26日 AFP】 1994年のサッカーW杯米国大会でブラジルに優勝をもたらした元チームメイト同士のロマーリオとベベットが、今年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)をめぐり政治家として火花を散らしている。

■ブラジル大会、反対派と支持派に

 二人のうち、ロマーリオ(Romario、本名:ロマーリオ・ジ・ソウザ・ファリア、Romario de Souza Faria)は選手時代、短気とパーティー好きで知られる「悪童」だった。

 48歳となった現在は、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)選出の国会議員としてその激情をブラジルW杯抗議運動へ向け、110億ドル(約1兆1200億円)を超えるW杯予算は教育や医療、公共交通などに使うべきだったという主張を支持している。ロマーリオが強烈に批判する矛先の一つは、国際サッカー連盟(FIFA)だ。

 昨年ブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup)に抗議デモが暗雲を投げ掛けたときには、ロマーリオはデモに共感を示し、FIFAは「サーカスを用意するだけで1銭も出さず、すべて自分のポケットに入れている」と非難した。また今年3月には、ジェローム・バルク(Jerome Valcke)事務局長を「ゆすり屋」、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長を「腐った泥棒、売春婦の息子」と呼んだ。

 一方のベベット(Bebeto、本名:ジョゼ・ロベルト・ガマ・デ・オリベイラ、Jose Roberto Gama de Oliveira)は現在50歳。リオデジャネイロ州の州議員として、ロマーリオとは相反する立場で戦っている。

 ベベットは笑顔が優しく、福音派のキリスト教徒して熱心に学校や社会事業を訪問する一方で、高級車とブランド服が好きなことでも有名だ。ブラジルW杯の大使を務めるベベットは大会への批判を一蹴する。12月には「私たちは苦難を乗り越えて今いる場所にたどり着いた。すべてのブラジル人の努力のおかげで今があるのだ」と語っている。