伝説の2トップ、ロマーリオとベベットが対抗陣営に ブラジルW杯
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■共につかんだW杯から20年
2人は1980年代後半から90年代にかけてブラジル代表チームでフォワードとして活躍。27試合無敗記録で国民的英雄となった後、94年にはブラジルに4度目のW杯優勝をもたらした。この大会でロマーリオは5点をあげ、同大会の最優秀選手と同年のFIFA最優秀選手に選出された。
94年大会のロマーリオのゴールの一つは、スウェーデンとの準決勝でブラジルを決勝へと導いた。一方、同大会3ゴールのベベットのゴールの一つは、米国とあたったトーナメント1回戦の唯一の得点で、アシストはロマーリオだった。ブラジル代表の歴代得点ランキングで、ロマーリオは3位(55ゴール)、ベベットは5位(39ゴール)だ。
引退後は2人とも政界へ進み、そろって2011年、国会議員と州議員に就任した──ロマーリオは左派のブラジル社会党(PSB)の議員として、ベベットは中道左派の民主労働党(PDT)の議員として。W杯で頂点に立った元チームメイトは今、同じW杯に引き裂かれようとしている。
2人が亀裂を見せ始めたのは昨年4月。リオのマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)の改修工事が終わり、ブラジルの名選手たちによる落成記念試合が開催されたときだった。ベベットはロマーリオも参加すると発表し、ロマーリオもそれを認めたが実際には、現れなかった。
その後すぐに、ロマーリオはマラカナンの改修について、伝説のスタジアムの外観を「台無しにしてくれた」と批判した。6月にコンフェデ杯が開催されるまでにはFIFAを非難し、大会を混乱させたデモを奨励した。著名なスポーツジャーナリストのジュカ・クフォウリ(Juca Kfouri)氏は「ロマーリオは、ピッチの上に立っていたときと同様に、政界でも機を見るに敏だ」と評する。
一方、ベベットはブラジルW杯の大会組織委員会理事に就任し、もう1人の伝説的選手ロナウド(Ronaldo)と一緒に強力に大会を後押ししている。
これに対し、ロマーリオは10月、「ロナウドとベベットは何が起きているか分かっていないか、見て見ぬふりをしている。いずれにせよ、無知だ」と米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に語った。ベベットは自分の流儀で返答した。「私にとってロマーリオは永遠の友人だ。ただ彼には彼の考えがあり、私には私の考えがあるということだ」
このゲームの勝者は、W杯のピッチ上ではないところで決まるのだろう。(c)AFP/Yann BERNAL