■決選投票の可能性も

 多数の立候補者の中で最有力とされているのは、「チョコレート王」の異名を取り、政治経験も豊富なペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)氏(48)だ。同氏は、ウクライナの将来は欧州との関係強化にあると主張。ユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)元首相をはじめとするその他の候補者は、支持率で同氏に大きく後れを取っている。

 ただし、最新の世論調査の結果では、首位を走るポロシェンコ氏の支持率がわずかに50%に満たない情勢となっている。大統領選で得票率が50%を超える候補者がいなければ6月15日に決選投票が行われることになり、政情不安がさらに3週間続くことになる。

■ウクライナにとって「決定的」な選挙

 今回の選挙は、新大統領と新政権に正統性を与える。キエフにあるグローバル戦略研究所(Institute of Global Strategies)のバディム・カラショフ(Vadym Karasyov)所長は、「旧ソ連圏の1国ではなく、独立国家として行われる初めての大統領選だ」と指摘。「ウクライナにとって、決定的なものになる」と語った。

 2か月近くにわたる分離独立派の反乱により、東部では少なくとも150人が死亡した。東部の住民およそ700万人がウクライナから切り離される可能性も残されている。

 投票は25日午後8時(日本時間26日午前2時)に締め切られ、4時間後に最初の暫定的な結果が公表される見通しだ。(c)AFP