【5月24日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は23日、ウクライナで今月25日に行われる大統領選の結果を尊重すると述べた一方、ウクライナは全面的な内戦状態に陥っていると警告した。

 プーチン氏は、出身地サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)で開かれた経済フォーラムで、「われわれはウクライナ国民がこの危機から脱出したいと思っているのを理解しており、ウクライナ国民の選択に敬意を払うだろう」と述べた。

 投票前の緊張緩和をうかがわせたもう一つの動きとして、プーチン氏は今週、ウクライナとの国境付近に展開していた約4万人の部隊に撤収を命じている。

 しかしプーチン氏は、親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)前大統領の追放を米政府が演出したと非難し、その「クーデター」の結果、混乱と「全面的な内戦」がもたらされたと主張した。

■ウクライナ東部で戦闘続く

 ウクライナ東部の工業の中心地ドネツク(Donetsk)郊外で23日、重機関銃を装備し、少なくとも1台の装甲車に援護された武装集団とウクライナ政府軍に付属する志願兵部隊との間で戦闘があり、7人が死亡した。現場を取材したAFPのカメラマンによると、死亡した7人のうち4人は反政府側で、3人は戦闘が始まった4月初めから政府軍側についていた勢力のメンバーだった。

 ウクライナ東部ではその前日の22日、兵士18人が死亡するという、戦闘が始まって以来ウクライナ政府軍にとって最大の人的損害が出ていた。

 ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は、自国が「ソ連解体後の(ロシア)帝国の一部にされる」のを阻止するため、大統領選の投票に出かけるよう国民に呼びかけた。 (c)AFP/Marina KORENEVA with Dimitar DILKOFF in Karlivka, Ukraine