【5月25日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)市内のユダヤ博物館(Jewish Museum)で24日午後に起きた発砲事件について、イスラエル外務省のイガル・パルモール(Yigal Palmor)報道官は25日、死亡した3人のうち2人がイスラエル人だったことを明らかにした。

 同報道官がAFPに語ったところによると、この2人はテルアビブ(Tel Aviv)からブリュッセルに旅行に来ていた50代の夫婦だったという。同報道官は「この恐ろしい事件の捜査について、ベルギー当局と司法制度、警察を信頼している」とコメントした。

 今回の事件では死者3人のほか、重傷者も1人出た。ユダヤ人差別が犯行の動機とみられ、ベルギー国内に不安が広がっている。

 欧州当局のトップらは事件を非難し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も「ユダヤ人やその国家への反感が絶えずあおられた結果」だとする批判を展開した。また、イスラエルのアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)外相は、欧州で始まり、パレスチナ人が主導しているユダヤ人入植地の生産品のボイコット運動にあからさまに言及しつつ、「イスラエル製品ボイコットの呼びかけで表明されている、イスラエルとユダヤに対する反感の扇動」が事件を招いたと主張した。

 ベルギーのジョエル・ミルケ(Joelle Milquet)内相は24日、反ユダヤ的行為かどうか判断するのは時期尚早だとした上で、攻撃の標的を踏まえると「そう推定できる強力な根拠がある」と語っている。

 ベルギーのユダヤ人関連施設に対する攻撃で死者が出たのは1980年初め以来。同国のユダヤ人人口は約4万人で、その約半数は首都ブリュッセルに集中している。 (c)AFP