【5月12日 AFP】ウクライナ東部の2州で親ロシア派が強行した分離独立の是非を問う「住民投票」で、親露派は11日夜、圧倒的多数の住民が独立を支持したと発表した。この投票についてウクライナ暫定政権や西側諸国は不法な「茶番」として正当性を認めていない。

 親露派が独自に設置した選挙管理委員会によると、ドネツク(Donetsk)州では投票した住民の89%が同州の自治に賛成した。投票締め切りから2時間もしないうちに州都ドネツクで記者会見したローマン・リャギン(Roman Lyagin)選管委員長は、投票率は75%で反対票は10%だったと発表。「これが最終結果とみなされる」と宣言した。

 ルガンスク(Lugansk)州での投票結果については、まだ発表はないものの、賛成票はドネツクと同程度か、それを上回るとみられている。

 西側諸国からは、住民投票の強行によってウクライナの分裂が加速し、欧州東端での内戦勃発につながりかねないとの懸念が出ている。

 今回の投票結果を独立的な立場から正当に評価する手段はない。親露派の反政権勢力は、開票作業場から外国メディアを締め出しているうえ、投票についても中立的な監視は行われていない。さらに選挙人名簿は不完全で、有権者登録手続きも場当たり的で複数投票を防ぐ仕組みは存在しない。(c)AFP/Max DELANY