【5月24日 AFP】西アフリカ・マリの北部砂漠地帯で、政府軍に容赦ない攻勢を掛けている武装勢力が23日、アフリカ連合(AU)議長との会談後に停戦に応じた。外交筋が伝えた。

 AFPとの電話取材に応じたマリ北部キダル(Kidal)の外交筋によると、アフリカ連合のモハメド・ウルド・アブドルアジズ(Mohamed Ould Abdel Aziz)議長が「当地キダルで会合した3つの武装集団の代表から停戦の合意を得た。この停戦で、各武装集団は戦闘を中止し、現状の場所にとどまることになる」という。

 マリ国防省によると、首都バマコ(Bamako)から北東へ1500キロに位置する紛争の地キダルと小さな集落メナカ(Menaka)が、トゥアレグ(Tuareg)人とアラブ人から成る反政府勢力により21日に制圧されて以来、政府軍兵士約20人が死亡、30人が負傷している。

 モーリタニア大統領であるアブドルアジズAU議長は、ルワンダ訪問を途中で切り上げ、反政府勢力のアザワド解放民族運動(National Movement for the Liberation of Azawad, MNLA)、アザワド統一高等評議会(High Council for the Unity of AzawadHCUC)およびアザワド・アラブ運動(Arab Movement of AzawadMAA)との緊急停戦会談を行った。

 マリ政府軍は17日の衝突以来、トゥアレグ分離独立勢力を含む複数の武装集団の連合組織に押されていた。 MNLAは、17日の戦闘開始以降、政府軍の40人を殺害、70人を捕虜にし、政府軍から数十台の車両と数トンにのぼる武器・弾薬を奪ったとしている。(c)AFP/Serge Daniel