【2月11日 AFP】アフリカ・マリ北部で行方不明が報じられていた赤十字国際委員会(International Committee of the Red CrossICRC)の職員たちについて、周辺地域で活発なイスラム武装勢力が11日、誘拐したことを認めた。

 イスラム武装勢力「西アフリカ統一聖戦運動(Movement for Oneness and Jihad in West AfricaMUJAO)」の幹部は、AFPの電話インタビューに対し「神のおかげで、イスラムの敵とその共犯者たちの四輪駆動車を捕えた」と応え、赤十字職員たちは自分たちの下で「生存しており、健康状態も良好だ」と述べた。詳細は語らなかった。

 MUJAOは、2012年にマリ北部地域を掌握したイスラム過激派組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」系のグループの一つだが、昨年1月、フランス主導の軍事介入によって一部、同地域から撤退させられた。

 ICRCのアレクシス・ヒーブ(Alexis Heeb)広報担当が10日にAFPに語ったところによると、ICRCの職員4人と別の援助団体の獣医師1人の消息が、8日からつかめなくなっている。5人は全員マリ人。行方不明当時、一行はマリのキダル(Kidal)からガオ(Gao)に移動中で、乗っていた車ごといなくなった。

 ICRCのマリでの支援活動は、紛争中に拘束された人々の訪問から、戦闘から逃れた数十万人の避難民への援助まで広範囲にわたっている。(c)AFP