それでも再生可能エネルギーの利用により、木や石油などの燃料コストが減って、スンバ島の人々の金銭的負担はかなり軽減された。

 スンバ島のワインガプ(Waingapu)に住むエリザベス・ハディ・レンディさん(60)は1975年からずっと豚を飼育しているが、豚のふんが持つ力を知るようになったのはHivosが自宅を訪ねて来た2年ほど前だった。レンディさんは毎日、豚のふんをシャベルでかき集め、井戸の中でかき回す。これをタンクに流し込むとバイオガスが発生する。

 ふんを利用したエネルギーの活用で、レンディさん一家は2年間で計600万ルピア前後(約5万円)節約できたという。スンバ島の標準世帯ではかなりの金額だ。レンディさんは「豚のふんで肥料も作っている。それで育った野菜を私たちが食べて、豚の餌にもなる。豚のふんからバイオガスがまたできる。エネルギーはまさに循環している」と語った。(c)AFP