【5月23日 AFP】米上院軍事委員会(Armed Services Committee)は22日、現在軍事衛星の打ち上げに使われているロシア製のエンジンに代わる米国産ロケットエンジンを開発する予算として1億ドル(約100億円)を投じる法案を承認した。

 米国は、ウクライナ情勢をめぐりロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と広範な問題で衝突しており、米議員らはロシアのロケットへの依存から脱却する方法を検討し始めている。その中には、米企業がロシア製のロケットエンジンを購入することの禁止や、新たな米国製エンジンの開発などが含まれている。

 同法案は上院軍事委で滞りなく承認された。今後、上院本会議で採決されることになる。

 一方、米下院は別の国防予算法案を承認しているが、この中にも、ロシアの輸送システムへの依存を減らすことを目指した対策が盛り込まれている。上下両院の法案は調停が行われて1つの法案となり、上下両院で再び採決される。

 現在、米国防総省は人工衛星の打ち上げでロシア製のRD180ロケットエンジンに依存している。米露関係の緊張の高まりは、ここ数十年間にわたって平和的協力関係にあった宇宙へも波及する恐れが出ている。(c)AFP