■「ダークメール連合」

 一方、ラバビットの創設者、ラダー・レビソン(Ladar Levison)氏は「ダークメール連合(Dark Mail Alliance)」と呼ばれる開発者らの連合体による新たなサービスの立ち上げを目指している。

 レビソン氏はAFPの取材に対し、数か月以内に新たな電子メール暗号化システムの試験を開始し、年内にサービス開始する予定だと語った。

「人々がその機能をオンにする必要がないよう、ユビキタス(身の回りのあらゆる場所に存在する状態)にすることが目標だ」とレビソン氏は語り、さまざまな電子メールサービスに利用される新たなオープンスタンダードになることを目指すと述べた。

 PGP開発に携わった後、暗号化通信企業サイレントサークル(Silent Circle)を共同創設したジョン・カラス(Jon Callas)氏は、セキュリティーを高めつつユビキタスにすることの課題を指摘する。

「もしもあなたの会社が銀行だったとしたら、銀行に関連する法令を順守する電子メールシステムを使わなければならない」とカラス氏はAFPに説明した。たとえば、規制当局や裁判所に特定の電子メールを開示することが可能でなければならない。

「インターネットのサービスの多くはセキュリティーがゼロの状態から始まる。われわれは、完全なセキュリティーを備えたシステムを提供して、それを人々が適宜解除できるようにしたい」

「プライバシーの最大限の保護に基づいて顧客をめぐる競争が行えるなら、それは全ての人にとって良いことだ」と、カラス氏は語った。(c)AFP/Rob Lever