【3月12日 AFP】ワールドワイドウェブ(World Wide WebWWW)の構想をまとめた文書が初めて発表されてからちょうど25年を迎えた12日、WWWの考案者であるティム・バーナーズリー(Tim Berners-Lee)氏は、各国政府による大規模なインターネット監視活動が明らかになったことを受け、ネット統治のための「権利章典」を策定する必要があると呼び掛けた。

「われわれは世界規模の憲法──権利章典──を望む」と、同氏は英紙ガーディアン(Guardian)に語った。この提案は、開かれたインターネットを推進する「われわれの望むウェブ(web we want)」キャンペーンの一環だ。

「開かれ、中立で、裏で何が起きているかについて気にせずとも信頼できるインターネットがなければ、われわれは開かれた政府も、良い民主主義も、良い医療保険も、つながりのあるコミュニティーも、文化の多様性も、持つことはできない」(バーナーズリー氏)

「これを獲得できると考えることはナイーブ(甘い考え)ではないが、ただ座っているだけで手に入ると考えるのはナイーブだ」

 このキャンペーンは、世界中のウェブユーザーに対し、「自分が住む国や地域、あるいは皆のための、インターネット利用者の権利章典」を起草するよう呼び掛けている。

 バーナーズリー氏はこれまで絶えず、ウェブに対する規制の削減を求めて運動してきた。米当局による大規模な監視プログラムを暴露して訴追されたエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者のことも称賛している。

 バーナーズリー氏は、人々の権利が「あらゆる側面でますます侵害されている」ものの、インターネットユーザーは自由を失うことに無関心になりつつあると警告した。

「そこで私は25周年記念を利用して、みんなにそれをしてもらおうと考えたのだ。ウェブを自らの手に取り戻し、これからの25年のウェブに望むことを定義しよう」

 バーナーズリー氏は25年前、欧州合同原子核研究所(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)に勤めていた際、空き時間を使ってWWWを考案した。(c)AFP