■軍事演習の誤射説

 MH370便についてはその失踪を題材とした映画2本が、開催中のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で試写上映された他、19日には書籍も発売された。

 英ロンドン在住の作家ナイジェル・カウソーン(Nigel Cawthorne)氏によるこの本は、南シナ海(South China Sea)で行われていた米軍とタイ軍による合同軍事演習でMH370便が誤射により撃墜され、事件が隠蔽されているという仮説をたてている。

 カウソーン氏は「こうしたことはありうる。1988年の湾岸戦争中には、米ミサイル巡洋艦ビンセンス(USS Vincennes)がイラン航空(Iran Air)655便を誤って撃墜している」と述べ、また同年スコットランドのロッカビー(Lockerbie)で起きたパンアメリカン航空(Pan Am)103便爆破事件にも触れ「ロッカビー事件の再来を願う者などいないから、関係者は何としてでも沈黙を守るだろう」と語った。ロッカビー事件では、リビアの元情報将校が有罪判決を受けた。

 しかしシンガポール在住の航空評論家テレンス・ファン(Terence Fan)氏は、証拠となる残がいが一切発見されていない状況では「さまざまな可能性を排除できないが、この説はほとんどありえないだろう」と述べている。

 世論調査によれば、マレーシア人の大半は、腐敗したマレーシア政府が何かを隠していると疑っている。一方、米CNNテレビの調査によると、米国人の10人に1人が「宇宙人と遭遇したか、タイムトラベルをしたか、別次元に行ってしまった」と考えている。(c)AFP/Shannon TEOH