【5月19日 AFP】乗客乗員239人を乗せたまま3月に消息を絶ったきり見つかっていないマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便に着想を得た映画2本が、第67回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)に集った配給会社の間で話題を呼んでいる。

 1本は、19日に試写上映される『A Dark Reflection』で、制作会社はファクト・ナット・ア・フィクション・フィルム(Fact Not Fiction Films)だ。

 エンターテインメント情報誌ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)のページ全面を使って掲載された上映宣伝のキャッチコピーは「313便に何が起きたのか」。ポスターは暗闇の中、滑走路の端に後ろ向きに立つ女性の頭上を、2つの白色光だけを点けた旅客機が飛んでいる絵柄だ。

 もう1本は、17日に既に試写が行われた『The Vanishing Act』。ハリウッド・リポーター誌のカンヌ特集に先週掲載された広告には、雲から現れる旅客機に「消息不明のマレーシア機の語られなかった物語」とのコピーが添えられていた。

 米誌バラエティ(Variety)によると、90秒の予告編には銃や恐怖におののく乗客たちが登場する。監督は性典「カーマスートラ」をモチーフにした映画『カーマスートラ3D』などを手掛けたインド人監督ルペッシュ・ポール(Rupesh Paul)氏だ。

 マレーシア機が消息を絶ってから日が浅い中でこうした映画を製作することは不謹慎ではないかとの指摘に対し、ポール監督は批判には当たらないとコメント。不明機に何が起きたかについて考えがあるというマレーシア人ジャーナリストから接触を受け、この映画に着手したと語った。

 マレーシアのクアラルンプール(Kuala Lumpur)から中国・北京(Beijing)に向けて離陸した後、3月8日に消息を絶ったマレーシア航空MH370便については、インド洋南部に墜落したとの見方が濃厚だ。だが、広域にわたって空と海からの捜索が行われてきたにもかかわらず、いまだ機体の発見には至っていない。(c)AFP/Helen ROWE