【5月20日 AFP】タイ陸軍は20日、全土に戒厳令を発令したのに続き、メディアの検閲を布告し、複数のテレビチャンネルの放送を停止した。

 国内の全チャンネルで同時放送された声明で陸軍は、「人々が正しい情報を手にするため、そして情報がゆがめられてこの対立が深まることがないようにするため」として、政府支持派の「赤シャツ隊(Red Shirts)」系チャンネルや、反政府派が使用する衛星放送チャンネル「ブルー・スカイTV(Blue Sky TV)」などの放送を停止したと発表。

 プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)陸軍司令官が署名した声明は、テレビ画面が数秒間途切れた後に、全チャンネルで同時放送された。声明は「全ての報道機関に対し、国家の安全に有害なニュースおよび静止画像の報道を禁じる」と述べている。

 陸軍はこの1時間前、同国で数か月にわたり続いた政治混乱を収拾するためとして、全土に戒厳令を発令。首都バンコク(Bangkok)中心部には、武装した兵士らや機関銃装備の装甲車が配備され、主要テレビ局などにも部隊が展開された。(c)AFP