■09年の事故でも困難を極めたブラックボックスの捜索

 2009年6月に起きた、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)から仏パリ(Paris)へと向かっていたエールフランス(Air France)機の墜落事故を受け、フランス政府は以前から、新たな基準を採用するようICAOに働き掛けている。この事故では、228人が死亡した。

 この事故でも、旅客機に搭載されていたブラックボックスの捜索は難航を極めた。それでも2011年、陸上のレーダーでは捉えることのできなかった大西洋(Atlantic Ocean)の海底から回収することができた。

「一般の人々にとって、航空機がこつぜんと消えてしまうなど思いもよらぬことだ」──ICAOのウェブサイトに掲載された欧州連合(EU)の討議資料にはそう書かれていた。

「航空機は常時追跡されるべきだ。事故の際、たとえレーダーで捉えきれない空域にあったとしても、すぐにその位置は把握できなければならない」(同資料)

 この会合に先立ち、ICAOは関連業界に対して、航空業界に有用となる技術を例示するよう要請した。この要請に応じたのは、衛星デジタル通信システムを運営する米グローバルスター(Globalstar)社や米航空通信システム大手のロックウェル・コリンズ (Rockwell Collins)社などだ。

 この要請についてICAOは、「10万ドル(約1000万円)以下のコストで世界全体をカバーするシステムが、既存の商業技術で構築できるとの回答がこれまでに複数寄せられている」ことを明らかにした。