【5月11日 AFP】中米のホンジュラスで、街のギャンググループに加わることを拒んだ7歳の少年が殺害され、埋葬式に立ち会った家族らが号泣した。3日前にはこの家族の13歳になる別の子供が、同様の理由で殺害されたばかりだった。

 世界でもっとも危険な国とされるホンジュラスでは、その元凶となっている強い力を持つ組織に加わることを拒めば、年齢の低い子供であっても殺害されるケースがある。

 こうした殺人の連鎖は、フアン・オルランド・エルナンデス・アルバラド(Juan Orlando Hernandez Alvarado)大統領率いる新政権が直面するもっとも緊急の課題の一つだ。

 シーツに包まれた7歳の少年の遺体は、首都テグシガルパ(Tegucigalpa)の北に位置するサンペドロスーラ(San Pedro Sula)の空き地で見つかった。遺体には銃弾と拷問の痕があったという。

 サンペドロスーラでは、1か月の間に他にも6人の学齢期の子供が殺害されており、当局の発表によると、理由はすべてギャンググループへの入団を拒んだためという。

 エルナンデス大統領は、現地紙エラルド(El Heraldo)とのインタビューで、こうした殺人が政府の治安政策に対する反発によるものである可能性を認め、「子供たちの事件が、われわれが行っていることに対する答えでないことを神に祈っている」と語ったという。

 サンペドロスーラでは先々週、ギャング団、「マラ・サルバトルチャ(Mara SalvatruchaMS-13)」の複数のメンバーが少年拘置所に押し入り、警備員をねじ伏せた上、手投げ弾を爆発させ、ライバルグループの「マラ18(Mara 18M-18)」のメンバー5人を殺害した。

 また同日、北部のリモン(Limon)では、13歳の少女が男に刃物で殺害され、この少女の10歳、7歳、2歳のきょうだいも殺害された。

 国立大学の犯罪観測所によると、ホンジュラスの殺人率は、人口10万人当たり79件と世界でもっとも高い。それでも、同国では最近のニュースに衝撃が広がっている。(c)AFP