【5月10日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は9日、日本が2000トンの冷凍鯨肉をアイスランドから輸入したと明らかにし、捕鯨反対という世界の主流意見に日本が引き続き対抗する姿勢を示したものだとして、強く非難した。

 グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一(Junichi Sato)事務局長によると、アイスランドから大阪に着いた船が8日、ナガスクジラの肉の荷卸しを行ったという。

 環境活動団体や報道によると、同船は3月にアイスランドを出発し、日本がアイスランドから過去6年間に輸入した量の合計とほぼ同量の鯨肉を運んできたという。

 港湾関係者が同船の到着を確認した。「アルマ(Alma)という船名の船が5月7日に到着した。その船が鯨肉を載積しており大阪港で荷卸しをすることは事前に報告を受けている」と大阪市港湾局職員がAFP通信社の質問に答えた。

 グリーンピース・ジャパンの佐藤事務局長は、今回の輸入量は日本の年間鯨肉消費量のほぼ3分の2に当たると指摘し、「なぜこれほど大量の鯨肉を輸入しなければならないのかはよくわからない。いずれにせよ、われわれはこのような出荷に反対します」と語った。

 アイスランドは昨年12月、2014年の捕鯨枠を増加させたと発表。これに対し、国際社会からの非難は強まる一方とみられる。

 商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を押し切って2006年に捕鯨を再開したアイスランドはノルウェーと並び、環境保護団体や一部の国から激しく批判されている。ただアイスランド国内では鯨肉はほとんど消費されておらず、捕獲されたクジラの肉の大半は日本に輸出されている。(c)AFP