【4月1日 AFP】オーストラリアとニュージーランド政府は1日、南極海(Southern Ocean)で日本が行っている調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に違反しているとした国際司法裁判所(International Court of JusticeICJ)の判決を歓迎した。その一方で、日本が判決を回避して捕鯨を続ける方策を模索するのではないかという懸念も出ている。

 ICJは3月31日、日本の調査捕鯨は科学調査の名を借りた商業捕鯨だとして、日本に現行方式での調査捕鯨を中止するよう命じた。

 日本政府は判決に従う意向を示しているが、将来的な捕鯨計画の可能性は排除していない。ニュージーランド政府は、日本が判決を巧妙に回避しようとするのではないかと懸念している。

 ニュージーランドのマレー・マカリー(Murray McCully)外相は、ICJの判決を「日本の捕鯨計画の合法性に巨大な銛(もり)を打ち込んだ」と評価する一方、科学的根拠に基づけば南極海で捕鯨再開を模索する余地を日本に与えるとの懸念を示し、そうした捕鯨を日本が行わないよう外交的な対話を続けていくと語った。

 オーストラリアのトニー・アボット(Tony Abbott)首相は就任後初となる日本訪問を今週末に控えており、同国のジョージ・ブランディス(George Brandis)司法長官はICJの判決について抑制されたトーンのコメントを出した。