【5月5日 AFP】アフリカに生息する鳥、クロオウチュウはかなりの「策略家」で、複数の種類の鳥や動物が仲間に危険を知らせる鳴き声をまねて他の動物を追い払い、食べ物を奪っていることが分かったとする研究論文が、1日に発表された。

 体重70~125グラムのクロオウチュウたちはしばしば自分たち特有の警戒声を発して他の鳥や動物から食べ物を奪っているが、研究者たちは、動物たちはなぜオウチュウの戦略に騙され続けるのかに頭を悩ませていた。

 だが米科学誌サイエンス(Science)に発表された論文によると、64羽のオウチュウを847時間追跡した結果、クロオウチュウがマングースやジャッカルなど51種の鳥や哺乳類の警戒声をまねることができることが分かった。オウチュウがあまりにも多くの種類の警戒声をまねできるため、動物たちはオウチュウ特有の警戒音になれてしまうことがないのだという。

 論文の執筆者の1人、ケープタウン大学(University of Cape Town)の生物学者トム・フラワー(Tom Flower)氏によると、クロオウチュウは、自身の警戒声が他の動物に真剣に受け止められなくなると、レパートリーにある他の種類の警戒声に切り替える。クロオウチュウには、一般的な声域を超え、このような鳴きまねを可能にする特殊な能力があるという。(c)AFP