【5月5日 AFP】オーストラリアの裁判所は2日、野生動物の頭骨や毛皮などを違法に所持していたオーストラリア人の男に有罪を言い渡した。男はオランウータンやトラの頭骨などを隠し持っていたとされる。

 警察当局は昨年、シドニー(Sydney)のジョン・コレッタ(John Kolettas)被告(44)の自宅を家宅捜索し、絶滅危惧動物24種、違法製品78点を押収した。同様の摘発としては同国史上最大規模だという。

 押収されたもののなかには、オランウータンの頭骨11点、その他のサル類、オオヤマネコ、クマ、トラの頭骨25点、さらにこうした動物の歯や皮などもあった。

 絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引に関する「ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora、CITES)」に違反したコレッタ被告には、禁錮1年の他、4000豪ドル(約38万円)の罰金、384時間の社会奉仕活動が命じられた。

「野生動物の違法取引は残酷で世界的な広まりをみせている。儲けのいいビジネスのため、世界的な市場規模は数十億ドルに上る」と、同国環境省の当局者は語る。

「コレクターらは自分たちが何を買っているのか、どうやって作られているのか、そしてどこからきたのかを気にするべきだ。たとえ掘り出し物のように見えたとしても、何も考えずに購入を続ければ、絶滅危惧種をさらに危険にさらしてしまうことになる」(環境省当局者)

 オーストラリアはワシントン条約の締約国178か国のうちの一つ。絶滅危惧種やその一部でも許可なしに輸入すれば違法となる。(c)AFP