【5月2日 AFP】(写真追加)ウクライナ軍は2日、親ロシア派の武装集団が掌握する東部スラビャンスク(Slavyansk)の奪還作戦を開始した。しかし、ウクライナ暫定政権によると軍のヘリコプター2機が親ロシア派の携行式ロケット弾攻撃により撃墜され、兵士2人が死亡したという。

 スラビャンスク近郊で取材に当たる複数のAFP記者が、銃撃や爆発音が聞こえると伝えた。また、市の南部で武装集団が掌握していた検問所を軍の装甲車両が突破するのをAFP記者の1人が目撃した。

 スラビャンスクの親ロシア派武装勢力の広報担当者は、ウクライナ軍による「本格的な攻撃だ」と述べた。

 スラビャンスクは先月、親ロシア派の武装勢力に掌握されたウクライナ東部の都市の1つ。ウクライナ内務省によると、親ロシア派は欧州安保協力機構(OSCE)軍事監視団のメンバー7人を含む30~50人の人質を取っているとみられる。

 ウクライナ政府と欧米は、3月にクリミア(Crimea)半島で起きた事態と同じだとして、武装勢力をロシアが扇動していると非難している。

 こうした情勢下、ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行は1日、ロシア軍による侵攻の懸念が高まっているとして徴兵制を即時復活させる命令に署名した。一方、ロシア外務省は同日、ウクライナが東部で軍事行動を強化すれば「破局」を迎えるだろうと警告していた。(c)AFP