【4月27日 AFP】小説「ドン・キホーテ(Don Quixote)」の作者、ミゲル・デ・セルバンテス(Miguel de Cervantes)の遺体がスペイン・マドリード(Madrid)にある女子修道院の床下に埋葬されている可能性があるとして、レーダー探知機を使用した捜索が28日から始まることになった。

 西洋文学の最高傑作の1つを生んだセルバンテスは、記録によると貧困の中、1616年4月22日に死亡し、その翌日に赤レンガでできた三位一体女子修道院(Convento de las Trinitarias Descalzas)の教会に埋葬されたとされる。しかし、正確な埋葬場所は分かっていない。

 法人類学者のフランシスコ・エチェベリア(Francisco Etxeberria)氏は、「捜索場所は特定してある。あそこに埋葬されたのなら、あの教会の床下にちがいない」と話す。

 捜索の第一段階を指揮する専門家のルイス・アビアル(Luis Avial)氏によると、レーダーではセルバンテスの遺体かどうかについてはわからないが、埋葬場所は特定することはできるという。

 場所が特定されたら、考古学者が遺体を掘り出し、法医学者が遺体の身元を特定する。

 またエチェベリア氏によると、教会の壁や、地下室に通じているとみられる南京錠のついたドアがある聖具室の床なども調べるという。

 1547年にマドリード近郊で生まれたセルバンテスは、1605年と1615年の2回に分けて出版されたドン・キホーテ(正式な題名:才智あふれる郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ)の作者として、「現代小説の父」の異名を持つ。

 1921年にマドリードの文化遺産に指定された同修道院には現在も修道女らが暮らしており、やみくもにセルバンテスの遺体を捜すのは難しかった。(c)AFP