【4月24日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)の各理事国は23日、シリアで反体制派の拠点に対する攻撃に塩素ガスが使用されたとの疑いについて懸念を表明し、調査の必要性を訴えた。

 シリアでは今月に入ってから、中部ハマ(Hama)県カファル・ゼイタ(Kafr Zita)などでの戦闘で塩素ガスが使用されたとの情報が浮上。アサド政権と反体制派はそれぞれ、ガスを使用したのは相手側だとして互いを非難している。

 15か国で構成される安保理は23日、シリア化学兵器査察団の活動を統括するシグリッド・カーグ(Sigrid Kaag)特別調整官から、この報告についての説明を受けた。

 安保理議長国ナイジェリアのジョイ・オグウ(Joy Ogwu)国連大使はその後の記者会見で、安保理の各理事国は「塩素ガスが一部の町で使用され死者や負傷者が出たとの報告に、深刻な懸念を表明し、調査を呼び掛けた」と語った。

 記者らとの質疑応答でオグウ氏は、調査を実施する主体や方法についての詳細には言及せず、「現在は疑惑について信頼性のある報告を待っている段階。事実関係が全て明らかになるまで、この問題についてはいかなる決断も下せない」と述べた。(c)AFP