【4月10日 AFP】アルツハイマー病の予防にカフェイン摂取が効果があるとする説を補強する実験結果が、9日の米専門誌「加齢神経生物学(Neurobiology of Aging)」に掲載された。

 独仏の研究チームによると、マウス実験では、アルツハイマー病患者の脳細胞の働きを妨げるタウタンパク質の凝集をカフェインが抑制した。

 研究チームはタウタンパク質を生成するよう遺伝子操作したマウスを使って実験を行い、10か月にわたってマウスの飲料水に1リットルあたり0.3グラムの微量のカフェインを投与した。これは人間が1日あたり2杯のコーヒーを飲むのに相当する量だという。

 カフェインを与えたマウス群と与えなかったマウス群とを比較した結果について、フランス国立保健医学研究所(Inserm)のデビッド・ブルム(David Blum)氏は、「カフェインを投与したマウス群は、記憶、タウの凝集、そして脳細胞の炎症という点で影響を受けにくかった」と述べた。

 これまでの研究で、少量のカフェインを定期的に摂取する高齢者は認知低下を起こしにくいことが確認されていた。またアルツハイマー病と関連のあるアミロイド斑を形成するよう操作されたマウスを用いた実験では、カフェインが記憶力の低下を鈍化させることも分かっている。(c)AFP